TOBってなに?高配当株投資家としてどう動くか

前提を学ぶ

「芝浦電子がTOBされる」という話題がありますね。
この件に関して執筆時点でのわたしの判断は「今のところ売らない」

この「今のところ売らない」という選択。
「高配当株投資家としてどう動くか」というのが、とても奥が深いです。

まさに「自分だったらどう動くか?」が試される局面だと思います。

ということで今回は、

  • TOB(株式公開買付)ってなんなん?
  • 芝浦電子にいま何が起きてるの?
  • 「今んところ売らない」ってどういうことなのか?

ってところを、少しだけ深堀りしてまとめてみますね📚

TOBってなんなん?超ざっくり解説

TOB(Take Over Bid)って聞くと、「なんかむずかしそう…」って感じますよね😅
でも、ざっくりいうとめちゃシンプルです。

「証券取引所を通さずに、企業が株を直接買い集める方法」
これがTOBです💡

今回の芝浦電子の件でいえば…
・芝浦電子の経営権をとりたい!
・芝浦電子をグループに入れて子会社にしたい!

そう思った企業が、

👤「この価格で芝浦電子の株、売ってくれませんか?」
って株主さんに呼びかけてるイメージ。

この呼びかけが「TOB」です。

そんでもって、全体の50%より多くの株を集めることができれば、TOB成立!ってことになります。

TOBには大きく2種類あって、ざっくり分けると、こんな感じ👇

友好的TOB
「買わせてもらっていいですか〜?」とちゃんとお伺いを立ててから始めるパターン

敵対的TOB
「いやもう買うから!あんたはおれのもんやから!」と相手の同意なしに突撃するパターン

今回の芝浦電子では、まさにこの「敵対的」と「友好的」がガチバトルしてる感じです🔥

芝浦電子をめぐる「TOB争奪戦」のおさらい

登場人物はこの3社👇
🔸 ①芝浦電子
  今回の主役、買収される側(おれたちのデブエット株)

🔸 ②ヤゲオ(台湾)
  突然現れた“高値提示の刺客”👀 芝浦電子を完全子会社にしたい

🔸 ③ミネベアミツミ(日本)
  芝浦電子と“もともといい感じ”だった仲の良いお相手

もともとは、芝浦電子とミネベアミツミがいい感じに話を進めてたんですね。

🗣芝「ミネさんとこグループに入りますわ〜」

🗣ミネ「ほんなら、株集めるけん、待っちょいて!…株主のみなさん、4,500円でワシら買いますけん売ってくださいな!」

ところが──

🗣ヤゲオ「株主のみなさん!わたくしどもは5,400円で買いますよ😏」

🗣芝・ミネ「えっ…ちょ、まじ💦」

ざっくりいうと、ヤゲオが高値で“乱入”してきた感じ。
つまり芝浦電子に同意ナシでの敵対的TOBをしてきたわけです💥
このあと、ミネベアミツミも負けじと5,500円に価格を引き上げ。
でもヤゲオはさらに上をいって、6,200円を提示。

そうこうしているうちに芝浦電子のスタンスが変わり始めます。

🗣️ 「うーん…もうどっちがいいか、株主さんで決めてください😵‍💫」
今では、どっちにも肩入れしていない状況です。

つまり今は、
・芝浦電子は意見を出さない
・株主さんの判断におまかせ
という“意見留保”の状態になってます。

※前提としてどっちがいい企業とか悪い企業とかいう話ではありませんで。

で、株主としてどうするの?

現在は、ぼくら株主がどう動くか?が問われてる状況です。
株主であるぼくたちには3つの選択肢があります。

①TOBに応募する
②市場で売却する
③保有を続ける

①TOBに応募する

芝浦電子の株を持っている人には、ヤゲオから応募書類が届いていると思います📬
その書類に書かれている価格が、1株6,200円。
その価格に納得する人は応募して売却することになります。

ただし書類をみて分かるとおり、手順がまぁめんどくさい😒

②市場で売却する

これは普段通り、証券口座でポチッとして売るやつですね。
執筆時点で株価は6,000円付近をウロチョロしている感じ。

株を売って現金化したい人は、TOBに応募するよりもこちらの方が手っ取り早くいいかもしれません🤨

③保有を続ける

つまり、株主としては応募も売却もしない。
ぼく自身も一高配当株投資家として、現時点ではこの選択をとります。

理由はシンプル。

✓ 配当目的で買ってるから
✓ 減配の気配も今のとこナシ
✓ 高く売りたいわけじゃない

つまり「デブエット株は食べれるだけ食べるで」って感覚。

もちろん、TOB成立後にどうなるか?で再検討はします🧐

6月20日、注目です

ヤゲオのTOB(買付け)期間は6月19日まで。
そして、6月20日には「TOBが成立したかどうか」が発表される予定です。

ここでの注目ポイントは、
「ヤゲオが芝浦電子の株をどれだけ集められたか?」というところになります。

想定されるパターンは大きく3つ。

・50%より多く取得
 →TOB成立⭕️経営権ゲット

・90%以上取得
 →TOB成立⭕️強制的に残りの株を買取る

・50%取得できず
 →TOB失敗❌️現状維持

じゃあ、それぞれどんなことが起きるのか?
保有を続ける人にとっては、とくに重要な話なので一緒に見ていきましょう👀

①ヤゲオが【50%超】取得したら?

芝浦電子の“実質的な親会社”がヤゲオになるってことですね。
つまりTOBは成立です。
とはいえ、株がいきなり紙切れになる…なんてことはありません!

上場はすぐには廃止されないので、市場で売るチャンスはしばらく残っています。

ただしリスクもあります⚠️

経営権を握ったヤゲオが、

・配当政策を変える
・経営陣を入れ替える
・やがて完全子会社化を進める

なんて動きが出てくる可能性はあります。

②ヤゲオが【90%超】取得したら?

ここでちょっと話が変わってきます。
ヤゲオが90%以上の株を手にすると、「スクイーズアウト」という手続きを使って、残りの株主の持ち株も“強制的に買い取る”ことができるようになります💡

まつばち
まつばち

スクイーズアウト=強制バイバイ、って覚えとくといいかも

ただし、

・TOBと同じ価格(=6,200円)で買い取られる
・お金はちゃんともらえる

ので、株が紙くずになるわけではありません🙆‍♂️

芝浦電子が上場廃止になるときは?

ヤゲオが実質的に芝浦電子の経営権を握った場合、芝浦電子の上場廃止申請というものが出される可能性もあります。

でもこの場合も、持ってる株が紙切れになることはありません。

・株式併合などでの現金化
・TOBと同等価格での買い取り提示

小難しいかもしれませんが、要は現金化できる段取りはあるということだけ覚えておけばいいでしょう💡

結局いくらで売れるの?

これが要は「株価の未来はだれにもわからん」というところです。

・今なら6,000円くらいで売れる
・紙切れになることはない
・でも最終的にいくらで売れるのかはだれにもわからん

TOBが成立しても、株価がそのまま推移するとは限りませんし、今後ヤゲオがさらに動くかもしれないし、撤退する可能性だってゼロじゃない。

株価に左右されないメンタル、高配当株投資における前提のひとつですね💡

ぼくのスタンス

冒頭で書いたとおり、いまのところ「売らない」つもりです。

それはシンプルに以下の条件を満たしてるから👇

・高値で売る目的じゃない
・配当目的で保有してる
・経営方針が大きくブレなければ、ホールドOK

もちろんリスクがゼロとは思ってません。

でも、少なくとも「売る理由がない」と思っています、いまの時点では。

ただし!6月20日の発表次第では再検討の余地アリ
ヤゲオがどこまで株を集めたかによって、今後の展開が大きく変わる可能性がありますから。

あと──
ミネベアミツミがさらなる対抗価格を出してくる…
そんなドラマ展開も、もしかしたらあるかも?😎笑

可能性は低そうですが…。

まとめ|TOBは“株主としての意思”が問われる瞬間

高配当株投資って、やってるとこう思う人もいるかもしれません。

😣「うわ…なんかむずかしい話出てきた…」
😢「やっぱり自分には向いてないんかな…」

でも、ぼくはこう思います。

「TOBってなんやろ?」って気になってこの記事を読んでる時点で、あなたはもう立派な高配当株投資家です😊

だってそうじゃないですか?

・難しい言葉が出てきても逃げずに向き合ってる
・よくわからんからって放置せずに調べてる
・誰かに質問してみよう、って行動してる

これ、めちゃくちゃすごいことです。

投資って、“分からないことがあること”よりも、“分からないままにしておくこと”の方がよっぽど危ない。

ぼくも、知らないことだらけです。

それでも、高配当株投資を続けられているのは、「知ってることを少しでも誰かに届けて、いっしょに配当年金をつくれたら」って思ってるから。

今回のTOBは、たしかにちょっとややこしいテーマかもしれません。

でもポジティブに考えて「自分が何のために株を持っているか」を見つめなおす、すごくいいきっかけになるとも思います。

これからも、じっくり育てていきましょうね🐝🌼

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