📢「投資は分散が大事!」
資産運用の世界では、ほんとによく聞くフレーズですね。
ぼくも高配当株投資を始めたばかりの頃は、
・たくさんの銘柄に投資して
・業種もなるべくバラバラにしてみて
「よし、ちゃんと分散できてるはず!」と満足してました。
でも、あるときふと疑問がよぎったんです。
❓「…これってほんとに合っとんかな?」
そこからいろいろ調べて、実際に投資して、また振り返って…
そんな経験を重ねるうちに、ようやく見えてきたことがあります。
それが──
「本当に意味のある分散」って、こういうことなんやな。
っていう、自分なりの”分散”の答えです。
そもそも「業種」ってややこしい
「銀行業」「建設業」「情報・通信業」…いろんな業種がありますよね。
ここでまず知っておいてほしいのが、
同じ業種でも、企業の性格はまったく違うことがあるという点。
たとえば「ノエビアHD(4928)」をみてみましょう。
業種としては、「化学」と分類されています。
そしてその中身は化粧品メーカーです。
(出典:株式会社ノエビアHD|2024年9月期 決算説明会)
いっぽう、「化学」といえば代表的なのが三井化学や東ソーなどの素材系メーカー。
でもこの2つ、性格がぜんぜん違うんですよ💡
素材系化学メーカーの特徴(三井化学・東ソーなど)
・原油や天然ガスなど原材料価格の変動をモロに受ける
・取引先が自動車・半導体など景気に敏感な業界
つまり、景気が冷え込むと、ドカッと業績が落ちる可能性が高い企業たちです。
それに対してノエビアHDは──
ノエビアHDの特徴(=化粧品メーカー)
・油脂・アルコール・香料など原材料の価格が比較的安定
・高級スキンケア中心で、リピート前提の商品が多い
・主な顧客は中高年女性で、訪問販売などの固定ファンがついてる
・健康食品・医薬品なども手がけていて収益源が分散されている
つまり、景気に左右されにくい“ディフェンシブな顔”を持ってる企業なんですね。
事実、ノエビアHDはコロナ禍で一時的に業績が落ちたものの、翌年にはしっかり回復。
2022年には前期比+19.3%増のV字回復を見せてくれました。
これ、すごく大事なことなんですが…
業種が同じだからといって、リスクの波まで同じとは限らないんです。
だから、「業種がバラバラっぽいから大丈夫でしょ」と思っていても、ふたを開けたら全部“同じような性格”の企業ばっかりだった…!なんてことも。
そういう“なんちゃって分散”にならないためにも、業種名だけじゃなく、「その企業の中身」にもしっかり目を向けていくことが必要になります。
分散の“目安”には「東証33業種」が便利!
「そもそも業種って、何種類あるの?」
意外と迷う人も多いかもしれませんね。
というのも──
日本企業の業種分類って、けっこうややこしいんです💦
・サイトによって書き方がバラバラだったり
・旧分類と新分類が混在してたり
・業種名だけ見てもイメージしづらかったり…
そうなると、「分散したいけど、そもそも何を基準に分けたらいいのか分からん!」ってなりがちです。
そこで登場するのが、
🏷 東証33業種分類!
これは、東京証券取引所が定めている「上場企業の業種分類ルール」で、日本株の世界ではいちばんスタンダードな業種の分け方なんです。
どんなところで使われてる?
・『会社四季報』
・『IR BANK』
・『Yahoo!ファイナンス』
・証券会社サイト
たいていの分析ツールやニュースでも、この33業種をベースにしているので、「とりあえずの業種の目安」として使うなら、これがいちばんブレにくくて安心です。
33業種に分散することは目的ではない
ここまで読んで、
👤「なるほど!じゃあ33業種にまんべんなく分散すれば最強やん!」 …って思った方。
ちょっと待ったー!です。
東証33業種というのは、あくまで全体を把握するための分け方。
そこに「まんべんなく投資しよう!」とこだわってしまうと、かえって効率が悪くなると考えます。
なぜかというと──
そもそも33業種すべてに高配当株があるわけじゃないから。
たとえば👇
・医薬品・バイオ系
配当を出さない企業が多い(研究開発優先)
・資源・海運・鉄鋼系
配当はあるけど、景気次第でガタ落ち
・鉱業・農林・水産・空運系
そもそも上場企業がかなり少ない
本当に意味のある“分散”ってなに?
では分散するって具体的にどういうことなんでしょう?
ぼくが思う“意味のある分散”とは──
性格のちがう企業を組み合わせること!
つまり、リスクヘッジのために分散するのであれば企業の性格を知ることが本質であると考えます。
企業の性格って、人と一緒
その性格こそが、企業分析で分かるということです。
「よっしゃ!じゃあ、とりあえず財務が完璧な企業を選んでいけばいいんやな!」
…と思いたくなりますが、残念ながらそんな都合のいい会社はありません😂
企業って、どこかが強くて、どこかが弱いんですね。
たとえば──
・配当が高い
→ でも業績が安定してるとは限らない
・営業利益率が高い
→ でも自己資本比率が低い
・財務が優秀
→ でも成長性がイマイチ
・増配を続けてる
→ でも配当性向がギリギリ…
これって、人間と一緒なんですよね。
🧑💼「頭もよくて、性格もよくて、行動力もあって」みたいな人って超レア。
だからこそ、それぞれの個性を見ながら、バランスよく“付き合っていく”ことが大事なんです。
目安は「15〜20業種くらい」がちょうどいい
じゃあ結局、何業種くらいに分ければいいのか?
あくまでもぼくの感覚ですが、15〜20業種くらいあれば十分かなと。
この理由は、大きく分けて3つあります👇
① 十分なリスク分散ができるから
個人的な体感ですが、東証33業種のうち、高配当株が多く存在する業種って実質20前後。
その中から15〜20くらい選べば、
✅️ 景気に強い企業
✅️ 金利に反応する企業
✅️ 為替に強い企業
✅️ ディフェンシブな企業
みたいに、性格のちがう“波”をバランスよく組み合わせることができると考えます。
② 業種をムリに増やすと、質が落ちるから
業種だけをみて分散しようとすると、かえって質が悪くなることもあると思います。
「とりあえず業種だけ増やしたいから〇〇業の中から探そう!」
としたりするのは、目的と手段が逆になってる状態=本末転倒なんです。
③ 管理しやすいから
15業種くらいなら、
✅️ 「この業種はクセがこう」と把握しやすい
✅️ 業種の波を追いやすい
✅️ 旬の流れを知りやすい
つまり、自分でムリなく見守れる“ちょうどいいボリューム感”なんですね。
業種数の多さより、
「性格の違う企業でバランスを取れてるか?」が大事!
それが、ぼくが思う“意味のある分散”です。
最後に|分散の本質は“性格を知ること”
分散って、「業種の数を増やせばいい」わけじゃありません。
文字にすると当たり前のようですが、意外と難しいですよね。
“どんな性格の企業を、どんなバランスで持つか?”
この視点があってこそ、リスクをコントロールしながら配当を育てていけるんです。
そして──
人と同じで、企業の性格ってすぐには分からないこともあります。
でも、焦らなくて大丈夫。
ちゃんと調べて、自分の目で選んだ企業なら、
時間をかけて付き合っていくうちに、ちゃんと“相手の性格”が見えてきます。
ポートフォリオって、育てていくもの。
焦らず、比べすぎず、あなたのペースでやることが長く続くコツです💡
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